1.実施概要
● 日 時 2011年11月3日(木) 9:00〜15:45
● 見学地 九谷焼資料館・陶芸館、日本折紙博物館、御菓子城加賀藩、大日盛橋本酒造
● 参加者 計23名(会館生17名、館外外国人留学生4名、協会職員2名)

九谷焼資料館前にて
2.実施目的
地元の産業や工芸品を見て触れて体験してもらうことで日本の良さやより地元の産業に対する興味をもってもらうのと同時に日本人と留学生との相互理解を深め交流を図る目的で実施しました。
3.実施内容
09:00〜 金沢国際交流会館 集合、出発
10:00〜11:30 「能美市九谷焼資料館・陶芸館」到着、九谷焼見学の後絵付け体験
11:50〜12:20 「御菓子城加賀藩」2階にある「日本折紙博物館」にて折紙体験及び展示見学
12:30〜13:20 「御菓子城加賀藩」内施設お食事処「文化村・古九谷」にて昼食
13:20〜13:40 「御菓子城加賀藩」和菓子製造見学
14:00〜14:40 「大日盛橋本酒造」到着、酒蔵見学
15:30 金沢国際交流会館 到着
15:45 解散
秋深まる紅葉のシーズン、懸念されていた天候は有り難いことに太陽の日差しがポカポカと降り注ぐ汗ばむくらいの暖かい体験日和となりました。
朝9時会館前に集合して、一人の遅刻者もなく定刻通りに出発して一路第一目的地である石川県は能美市にある「能美市九谷焼資料館・陶芸館」を目指しました。
ここでは、まず資料館にて係員の方による説明を受けながら九谷焼の長い歴史や脈々と受け継がれている伝統的技法を用いて作られた作品を年代別に見学しました。また現代作家さんたちとのコラボレーション作品を手がけるなど新たな領域へも挑戦しつつ独自の世界の幅を広げながら変化している様子を学びました。
九谷焼の長きに渡る歩みや代表的な年代別画風を見学したことを踏まえ、陶芸館に移動して早速みんなで絵付けの体験に入りました。赤や緑や黄色やピンク等7色の色を用い、九谷焼の絵付け技法を真似て描く者や日本の代表的な風景、富士山や桜をモチーフにして描いてみる者、そして今流行りのアニメを描く者など各々のアイデアが飛び出し、みんな時間を忘れ夢中になって描いていました。

絵付け体験中
絵付け体験が終わり、次の目的地である「折紙博物館」へ移動。ここでは1枚の紙から作り出される立体的な花々や人形、動物など細かな細工に一同目を奪われ圧倒されていました。みんなで折紙の先生による「箱鶴」作りの手解きを受けましたが、慣れない手つきで小さな紙を丁寧に折る姿は真剣そのもの。楽しみつつも悪戦苦闘している様子が伺えました。ようやく出来上がった「箱鶴」は台紙に乗せ、透明の箱に詰めて記念のお土産として持ち帰りました。各々出来栄えを見せあいながら「自分の方が綺麗にできた!」、「あなたの色紙の模様が綺麗ですね!」などの感想を述べあい、昔から伝わる手遊び事の折紙体験ができたことをまるで童心に戻ったように喜んでいました。

日本折紙博物館展示作品

折紙体験中
昼食は、日本海で獲れた魚をメインにした和定食を頂きました。定食の中には、地元郷土料理の1つ「治部煮(じぶに)」(鴨肉を削ぎ切りにして小麦粉を塗し、野菜や麩を入れた出汁の中に一緒に加えて煮込んだもの)をうどんの上に乗せた麺料理も振舞われ、みんな物珍しそうにしげしげと眺めながら麺類の啜る音にも興味を示し、わざとズズズーという大きな音を立てながら楽しんで食べていました。
昼食後は少しだけ自由時間を設け、食事場所と同じ敷地内にある「御菓子城加賀藩」での和菓子作りの作業工程を見学したり、食べるのが勿体ないほど美しく仕上がった和菓子を購入したり、敷地のお庭で談笑したり、しばし思い思いの時間を寛ぎました。
午後からは、創業250年の歴史をもつ日本酒の老舗蔵元「大日盛橋本酒造」を訪ね、昔ながらの酒造りの道具や作業工程、酒蔵を案内していただきました。お米からどのようにお酒が作られていくのか1つ1つの工程を熱心に観察し、説明にはしっかりと耳を傾けていました。出来上がったお酒を何種類か少しずつ試飲させてもらい、味の違いを飲み比べていました。始めて日本酒を口にする留学生もいて、すっきりとした口当たりにほのかにお米の甘さも感じる味わいがとても気に入ったようでした。また酒蔵の見学と同時に橋本酒造主家である本家も拝見させてもらいました。400年近くの歴史を持つ橋本家の伝統的な日本家屋の見事な建築意匠や先代から伝わる古美術や調度品の数々、日本古来の戦道具である槍や薙刀など留学生にとっては見慣れないものばかりが家中に飾られ、まるで昔の日本の世界にタイムスリップでもしたような錯覚に陥り、とても不思議な感覚に襲われた留学生もいました。そしてびっしりと苔生し、形よく剪定された赤松やしいの木などの手入れが行き届いた見事な庭園は、日本の伝統家屋とうまく調和していて、まるで1つの大きな芸術作品を見ているような美しさでした。留学生たちも日本の和の美しさを改めて見直す良い機会になりました。

酒蔵見学
この日のツアー日程をすべて終え、酒蔵の方々に別れを告げてバスに乗り込み帰路へと向かいました。バスの中では、カメラを取り出し今日一日の行動をおさめた記録を確認し笑みを浮かべる者や体験の思い出を互いに語り合っている者、日本の伝統文化により興味が湧き、もっと体験したいと希望する者など全く疲れを感じさせず、終始盛り上がった雰囲気のまま、楽しい一日の幕は閉じました。
4.総括
今回は日帰りという限られた時間の中で、古き良き伝統や文化を体験して興味を深めながら地元の方々との交流を図り、また地元産業を訪れ見学して日本への理解をより一層広げてもらうことに重点を置き実施しました。
天候にも恵まれ6カ国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インド、バングラデシュ)の留学生たちが集い、絵付け・折紙の体験と和菓子製造工程・酒蔵の見学を通して沢山の地元の方々との交流が出来ました。短い時間ではありましたが参加した留学生たちからは「とても充実した内容の濃い時間だった」、「始めての体験が多く楽しかった」、「他にももっと色々体験したい」などの感想を多くもらい、今回実施した成果が良い結果として現れたのではないかと思います。また各体験・見学先の方々には手厚いご協力をいただいて、大変実り多き有意義な1日を過ごすことができました。

九谷焼絵付け体験完成品